加護まり

By 2025年6月26日撮影後記

本物の姿は本人も制作者も予期しない時に起こる。


縄への出演は初体験であるからそれなりの対応で撮影を進めた。だが桟敷としては吊りの場面を必要とするからどうだろう経験をしてみますかと聞いた。二つ返事で『やります』と言う。ウエストと太ももに縄をかけた最も負担のかからない吊りをやってみたがまりさんには限界を超えた痛みで即刻とりやめて吊り縄をほどく。彼女の体には吊りの基本縄が残り吊り縄を散らしてうずくまっていた。まりさんはみんなの期待に応えられない悲しげな後悔の念でうずくまっている。俺は瞬時に今回の緩急の縄を予感した。
吊り縄を持ちアシスタントのいろはさんと無造作な作りの縄を奈加さんに渡して一気に緊縛を作り上げた。1分にも満たないはや縄であったので加護にとっては無意識な状態であり我々にとっても意識下の縄である。出来上がりは見事なものであった。加護の体の細部に緊縛の理想とする姿を捉えた。偶然か無意識の作りの本物かそれが俺の求めている世界観である。

杉浦則夫

撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2025.6.19・26 掲載終了 2025.7.24

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