
眩しいほどの光が洋間のカーテンを透かして茜が融資の勧誘に訪れた洋間に満ちている。先程まで茜はその部屋で書類を作成していた。銀行の業務の競争は激しくわずかな成績を残すためにもお客の無理な注文にも応えなければならない。以前この家の係であった同僚からここの主人は変な趣味があると聞かされていた。
初対面なのに膝を突き合わせての面談です。それにおかしなことに彼は縄を手にしている。何かを梱包していた途中かと思ったが、彼の話ぶりがだんだんと変態じみてきた。熱く語る彼の話にとても共感ができる。茜は18歳の頃に変なドイツ人に縛られた過去があるのを思い出す。その時は驚きで身を固くして抵抗した。だが彼も彼の想いを熱く伝えて茜の緊張を解きほぐして不思議な感覚に導いてくれた。そんな過去が突然茜の体に蘇った。固く後ろ手に縛られた時銀行業務の疲労から解放された体が空になっていくのを覚えた。彼の荒い吐息を感じる。
この様な物語で始めた。
茜とは長田スティーブとの縛りでの出会いであった。縄がかかるとトップギアーで拘束感を感じ始め周りを驚かした。今回も数分前までは笑顔であったのにすでに涙を畳に流して陶酔の世界にある。俺も茜に引っ張られて無我の境地である。自然光での撮影のせいで気がつけば400カット余りも撮ってしまう。カードのリミットが700枚ほどだ。アシスタントからもう一枚カードはあると聞き安心して午後の撮影に入る。午前の撮影は哀しみと陶酔の世界であったが午後は快楽と絶叫の世界に堕ちた。以前はこれほどの動きと呻きを出す人ではなかったはず、どちらかというと自己陶酔の世界に堕ちる人であった。だが今回の動きは股間を突き出して股縄を非情な程に咥え込ませて荒い吐息と共に身をくねらせるのである。
杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:カスカベキタロウ 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2025.1.16・23 掲載終了 2025.2.27
注意:
月額会員サイト「杉浦則夫緊縛桟敷」でのダウンロード作品の掲載期間は四週間です。
掲載終了後は姉妹サイト「緊縛桟敷キネマ館」にて販売される予定となっております。※販売時期は当分先になります。
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