
塩見のイメージは昭和の日本酒黄桜のポスターで見かけた華のある女優のようだ。近寄りがたい距離感があるのに優しげな姿。数年前の撮影では彼女の性癖の情報を持たず俺は十分とは言えない撮影であった。トウジロウ監督の作品を見ると塩見の変態性癖が過激に表現されている。そして今回も6年前の美し容貌に変わりなくやって来た。
日本間の薄明の中でろうたけた肌は幻想的に写り濡れた瞳の黒い眼差しが拘束に酔い見つめる。塩見の縄の受け方は動きだ、柔らかい肉体が命綱を支点にして陶酔に堕ち魔物が取り憑いたような表情を作り出していく。心地よい疲労感の残る撮影であったが、塩見との撮影はまだまだ深みのある撮影を残したようだ。一方で静止の拘束を受けらがら己の幻想に没入するタイプもいる。この女達の多くは自己を仮の姿に入れ替えている、縄を多くかけたり縄圧を偏らせることを嫌う。このように被写体に対しての配慮を繊細にしなければならない。
変態性には毒が含まれていた。そもそもこのような好事家の世界にある者には反社会的な性向を多く持っていた。それが緊縛の市民性が獲得せられるや麻縄の毒性が浄化されて美を求めるように向かった。社会風俗と共にある緊縛の歴史としては致し方のないことであろう。俺の想いは伊藤晴雨を基本としている。
杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2025.10.2・9 掲載終了 2025.11.13
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