伊勢屋質店

By 2015年1月20日近況報告

Kawakami_076杉浦則夫緊縛桟敷が設立以来撮り続けた伊勢屋スタジオが昨年(2014年)の10月末で閉鎖された。伊勢屋質店は明治時代に建てられた国の重要文化財に指定されている。五千円札の樋口一葉が通った質店としての逸話が残っている。蔵には数冊の質帳が残っていたので一葉の記録がないかと探したが、それらのものは文京区の資料館に提供されたとのことであった。

そんな観光名所であるから菊坂一帯を散策する者が訪れてくる。玄関の鍵をうっかりかけ忘れているとおばさんの集団に入り込まれた事が数回あった。そんな名所でPTAには見せられない撮影をしているのであるからこちらとしてばつが悪い、もっともらしい撮影理由で退去を願った。

初めてこのスタジオに入ったモデルは一様に田舎のおばあちゃんの家みたいと、まずは家中を蔵の内を見て回るのであった。建て売住居では味わえない足下の確かさ、木のぬくもり、黒光りする柱の時間の経過、わずかに隙間をつくる窓、みんな失われた日本の懐かしさを感じるのであろう。そうだ檜の丸い湯船も撮影を終えたモデル達に安らぎを与えて好評であった。俺はこの環境が永久に続くものと呑気に構えていたから10月の撮影日に管理者から閉館を告げられた時には奈落に落ちた、そしてその日に初めてこの家にある光、風通しの美しさに気づくしまつ。このようなロケーションは今後は望めないだろう。

現在記念建造物として残すか更地にするかと区と所有者で折衝中とのことです。

桟敷の日本家屋での撮影のベースは目黒にあるスタジオに移ります。目黒の一等地に広大な敷地に建つ平屋です。もちろん蔵がありますが開かずの間です。

iseya

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杉浦則夫緊縛桟敷(年齢認証)

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