
朽ちかけた都会の一軒家に猿轡で口を塞がれ後ろ手に縛られた茜。助けを求めて身をもがくのであるが、固く結ばれた縄はもがけば強く手首に食い込むばかりだ。
イメージとして猿轡は静止の写真が多いから動いてもがく様を撮ってみようとした。その一連でローソクを加えてみたところ茜が恐怖で大粒の涙を流すシーンが撮れたのは収穫であった。彼女は縄の拘束感に酔うのであって火責め水責めなどの刑罰は苦手のようだ。猿轡は心理的に元々恐怖を抱えたものであるしめた成功だと心で叫ぶ。声と言うものは口腔内で共鳴をさせて大きな声にするものであるそれを口腔内に詰め物をして猿轡を施せば被害者の声は完全に塞ぐことができる。
毎回の撮影を最後の撮影との想いで行っている。役者は板の上で死ねと言われはす、俺も現場で死ぬのことにしましょう。「徒然草」の吉田兼好は老いて若ぶり活力を奮い立たせる様な行為は恥ずかしいものだと書いているが、、、、、
さてと茜のようなベテランの被写体ともなれば吊りのシーンなども急いで撮る事もない。吊りの正当性は逆さ吊り駿河といなどのみでそのほかの足をくねらせ開かせたものはサーカスであると思う。俺は好まないが商業緊縛においてはそれも致し方がないかも?そのような吊りの話を先日ローマの緊縛師と話す機会があったがなかなか理解は難しかった。
今回の撮影は猿轡と最後のシーンでの腹部の子宮を足での責めにある。もちろんそれは前戯としての縄の厳しい拘束を受けてこそ子宮部の圧迫が茜の絶頂感をもたらしたことになるのだが、涙と涎で忘我の境を彷徨う茜は見ものである。
杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2025.12.3・11 掲載終了 2026.1.8
注意:
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掲載終了後は姉妹サイト「緊縛桟敷キネマ館」にて販売される予定となっております。※販売時期は当分先になります。
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