+縄+想い09「憧れの女性 高橋お伝」

By 2015年2月12日緊縛コラム

 強盗殺人の罪で斬首刑に処せられた女性が、私の憧れている『高橋お伝』です。生き方を見てみれば、単純にお金が欲しかっただけじゃないかって言われることは、十分も承知です。

 彼女は、病気で寝たきりだった夫を、看病しながらも毒殺をしたと言われています。そして生活費に困窮して、借金の申し出に行ったところ「枕を交わせば・・・」という条件を付けられ、一晩過ごしてもお金は貸してもらえず、怒りのあまりに金貸しの喉を剃刀で搔き切って殺害し、財布からお金を持ち逃げしてしまった。これが、簡単ですが彼女の罪です。現代の保険金殺人事件と被るところはあるかもしれませんが、当時(明治時代です)においては、女性が犯した事件としては大きすぎる程だったと思います。裁判では、死刑判決、斬首刑執行となったのです。
 私は、歴史マニアではないので、彼女を知ってからまだ数年なんです。きっかけは刑罰を知りたい、感じたいという想いから始まり、彼女に出会いました。そして、彼女が日本での斬首刑最後の処刑者であったことに、心を掴まれました。あんな残酷な刑の最後の受刑者が女性だったとは、正直驚きでした。刑執行の時は、かなり暴れて、処刑人が手元を狂わせて彼女の頭に刀が何回か落ちたことは有名のようですね。最後は、斬首となったみたいです。
 処刑時に暴れた彼女が、とっても気になりました。あの状態で抵抗しても、刑が無くなるわけはないのに・・・そう思うと彼女の生きるための何かが見える気がします。30歳位で斬首とは、女としての生き方はまだまだだったと思います。私の勝手な願いですが、暴れながらも、人間として生きたい!女として生きたい!そう訴えていてほしかったです。身体を売ってしまったけど、生きていくためには仕方のない手段だったあろうし、金貸しとの一夜で知らなかった女を知ってしまったとしたら、もっと可哀想すぎる。快楽を求めるのではなく、女を求めることは間違っていないと思う。彼女は、首から切り落とされてしまったけど、私には女としての憧れを与えてくれました。勝手に思っているだけですけど。「明治の毒婦」なんて照合が付いているのは、様々な形で記憶の中に残っていることが出来ている女性なんだと感じます。
 1月31日が、彼女の斬首刑執行日です。1日遅れて、斬首刑執行跡地にお参りに行くことができました。交通量が多いところだったので、怪しい人に見られていたかもしれませんが、彼女に近づくには、あの場に行くしかないのです。ペットボトルのお水を置いてくることしかできなかったのですが、あの日のこの空の下、ここで逝ってしまったと思うと、私の視点が定まらなくなり何かを追っているように動いてしまっていました。来年も、お参りにいきます。ただ、彼女に会いたい時は、可能な限り行こうと思っています。
 ちょっと縄のことを・・・。最近は縄の時に白の長襦袢は着ていませんが、過去に着ていて、正座の状態で首を前に垂らしているときは、お伝さんの事を考えていました。暴れることはしなかったけど、あの場において死を受け入れられず、生きたいと思うことはどういうことなんだろうって思っていたりしました。まとまりのない文ですが、私はお伝さんがすごく気になる女性です。彼女を想い、女としての生き方を感じて生きたいです。

  美帆

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杉浦則夫緊縛桟敷(年齢認証)

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